看護師の仕事の大切な業務のひとつにバイタルサインと一般状態の観察があります。
血圧や体温、呼吸の観察などを行う業務のことですが、日中に行う場合と夜間に行う場合では少しポイントが異なります。
夜勤専門の看護師など、日中患者に直接触れ合う機会の少ない看護師であっても、的確に患者の状況を判断する必要があるため、看護師にとってこの技術はとても大切なことです。
日勤の看護師からの申し送りの内容などをしっかりと把握し、必要な患者に対して必要な処置を間違いなく行う必要があります。
血圧の測定および脈拍の測定は基本的には患者の睡眠中には行いませんが、手術直後であったり、循環器の疾患など特別に注意すべき点がある場合には夜間であっても必要に応じて測定を行う必要があります。
動脈の触知など的確なポイントを押さえて行うようにしましょう。
呼吸の観察については胸の動きや回数、リズムを確認しますが、場合によって患者の鼻あたりに手をあてて呼吸の異常がないかを確認することおあります。
睡眠中であっても突然の呼吸停止のリスクがある場合にはいびきにも注意が必要です。
体温の測定も定期的に行い、必要に応じて温める、冷やすなどの対応が必要です。
特に夜間は照明が落ちているため、懐中電灯など限られた条件の下で観察を行う必要があります。
日中に比べて観察しづらい夜間の観察においても、患者の変化を敏感に察知し、注意することが患者の容態の変化に素早く対応するためには必要です。
日勤の看護師からの申し送り事項や、継続して行われている治療の内容についてしっかりと理解し、点滴などの注入量、速度、逆流の有無などを注意深く観察し、問題があった場合にはすぐに発見することが重要です。
夜間の勤務は日勤の看護師にくらべ、より高いバイタルサインおよび一般状態の観察能力が必要であるため、多くの夜勤専門看護師の求人については一定以上の経験を求める場合がほとんどです。
日頃から患者の様子をよく観察し、ちょっとした変化も敏感に発見できるように注意しておくことが、観察技術の向上につながります。
毎日のルーティンワークとしてなんとなく行ってしまいそうな検温や血圧測定ではありますが、こうした測定のデータから患者の思わぬ疾患が見つかることも少なくありません。
病の原因の早期発見が患者の早い回復につながるのはいうまでもありません。
質の高い看護はまず患者の観察から始まります。
バイタルサインのみならず、患者のメンタルな面も含めて患者のわずかな変化にも気づくことのできる看護師でありたいものですね。